8/07/2010

かわらっこ


毎度おなじみ、二ヶ月遅れの日記です。


あ、その前に、以前ここでご紹介した、香川県で里親さんを探しているくるみちゃんとミルクちゃん母娘、諸事情あって、もう一度里親さんを探しています。
私は直接会ったわけではないですが、保護主さんのブログを拝見すると、ほんとに気だてのいい子たちだと思います。


前回も書きましたが、ご縁ってどこにあるか分からないから、この弱小ブログでも再紹介いたします。
ぜひ、こちらへお運び下さいませ。

     We are looking for our new home

        よろしくお願いしマス




んで、以下は5月16日に書いた日記です。
さあ、2ヶ月半前にタイムスリップした気持ちで、どうぞ!!





日射しも風も強かった先週の土曜日。
四万十に来てから、なにかとお世話になってる職場のOさんに、川遊びに誘ってもらった。

Oさんちには、黒ラブ・キース君と、黒パグ・ティナちゃんがいる。
黒ラブ、そう、水の申し子、ラブラドールである。


水遊び初体験の我が家の犬に、泳ぎを仕込んでもらうのだ!


はじめは四万十川支流に行く予定だったが、Oさんのお友達の水遊び熟練隊の方々が、本流に連れて行ってくださるとのこと。
えーと、川どころか、犬用プールも入ったことないんだけど、大丈夫かな、うちの黒いの。

そしたら、Oさんがキース君のライフジャケットを貸して下さった。
どこまで親切なんだ、Oさん。ありがとう。


誰を連れて行くか、何頭連れて行くか迷ったが、山と違って初めての体験なので、結局ホープ一頭だけにした。
若いエネルギーを少しでも発散させられれば。




川遊び前夜、ホープに着せてみる。


ほほう、なかなかサマになってるやないの。

横からソフィがしつこく文句を言うので、ごはんの催促かと思ったら違う。
自分にも着せろと言っているのだ。
着せてやったら、この笑顔。


姿だけ見たら、いっぱしの救助犬みたいに見えるよ。
実際はたぶん「救助され犬」だな。泳いだことないんだから。
(川に飛び込んだことはある。こちら




さあ、河川敷に到着。
さすが四万十川。川も、河川敷も、空も、何もかもが清々しい。
淀川を見慣れた目には、まぶしすぎる。
まぶしすぎて細めた目に、本日のお友達、いえ、先輩方のお姿が。

キース君(5歳)と、Oさん。


グー君(9歳)と、グーママ・パパさん。


レックス君(7歳)と、takumaruさん。

(犬名の五十音順)


みんな、川に向かって行く時はものすごい気合いである。
バッファロー並みの迫力である。



今まで、レトリーバー系の友達と、山歩きをしたり公園で遊んだりしたことは多々あれど、彼らが川で泳ぐ姿を見たのは初めて。
けっこう流れは速いのに、それに逆らってぐんぐん泳ぐ。


飽きることなく、楽しそうにひたすら泳ぐ。




周りには緑したたる山々、川の向こうに有名な赤鉄橋。
頭上ではトンビのシルエットが青空を旋回している。


うーむ、四万十に来たんだなあ。
四万十川で犬たちと川遊びしてるんだなあ。


で、ホープはどこだ。

           ココデス

どこ??




怖がって水に入らないんじゃないかと、予想はしていた。
無駄に用心深い犬種なのは、ようく知っておる。
しかし。
水遊びの楽しさを知ってもらうのも、飼い主の務めである。

そういうわけで、水辺まで強制連行することに。
ライフジャケットが脱げそうなくらい足を踏ん張るので、首の皮をつかんで引っ張った。

何とか水辺に達したので手を離し、楽しいから入ってみるよう諭したところ、何故か突然、私の後ろ側(=川の中)にざんぶと飛び込んだ。

やった!と思ったのもつかの間、次の瞬間にはすごい勢いで飛び出し、ずっと向こうまで逃げ去った。


中途半端に濡れて川の中に取り残される私。

           怖カッタ


呼べば呼ぶほど、川岸から遠ざかるので、しばらく放っておくことにした。
飼い主が知らんぷりしている間も、『四万十爆泳隊』の皆さんが、おもちゃやオヤツでつったり、なんとか川遊びをさせてやろうと、都会のもやしっ子ホープを励ましてくださった。





その甲斐あってか、それまで私と川しか見えていなかったのが、少しずつ、他のヒトやイヌを気にし始めたではないか。

他の3頭が楽しそうに遊ぶ姿につられて、ふらふらと川べりまで近づいてきた。
よしよし、いいぞ。

          ボクモ遊ブ〜

         デモヤッパ怖イ・・・

あと一歩なのに。

          上ガッテキテヨ


絵に描いたようなへっぴり腰やな。

後ろから突き落とそうかと何度も思ったが、吹っ切れるどころか、トラウマになりそうな気がしたので、飼い主としての勘を大事にして、やめておいた。


ところで、一番若いキース君はほとんど水から上がらない。
さすがのグー君、レックス君も時々水から上がってひと休みしているのに、キース君は休むのも水の中。
ブルブルするのも水の中。


・・・それは意味あるのだろうか?


そのキース君、明らかにホープを誘ってくれているようだった。





ホ坊はちょうど思春期で根拠のない自信に溢れているものだから、穏やかなキース君にマウンティングしたくて仕方がない。
普段はやめさせるのだが、少し自信を取り戻したのか、川のそばでまたしてもキース君に乗っかった時は、そのままにさせてもらった。
マウンティングのまま、水に入らないかなと期待して。


残念ながら、毎回ギリギリのところでホープが降りてしまったが、その後、キース君が水際でじっとしてくれているのだ。


背中を向けたままでいたり、目の前でボールを噛んでは落として見せたり。

(動画画面の右が切れてるかも。)


キミはなんていいヤツなんだ、キース君。
結局ホープは水には入れなかったが、おかげで水を飲むまでにはなった。


うーん・・・
まあ、四万十川遊び初体験としては、それでよしとしようかねえ。


水には入れなくても、ずいぶんとたくさんのことを学んだ一日だった。

グー君にもマウンティングしてやろうとしてビシッと叱られたり。


それではレックス君ならと迫って、ソフィ姐さんと同じ静かな圧力(じっと動きを止めて、全身から強いオーラを発する)で退散させられたり。


ホ坊よ、分かったかい。
おのれの勘違いに気づきたまえ。


結局、最初に飛び込んだ時に腹まで濡れたのと、キース君にしがみついて濡れただけで、持って行ったタオルはまったく使わず。
ライフジャケットも濡れず。
ホープを誘うためにズボンをまくって川に入った私のサンダルが濡れただけだった。

(この日のホ坊の情けない姿は、takumaruさんのブログ『T-REXな毎日』にも出ております。)


それにしても、田舎の犬は健康だ。




帰り道で聞くまで、グー君が9歳だなんて、思いもよらなかった。あの泳ぎっぷり。


確かにこちらへ来てから、ガディより年上の犬を飼ってる話をいくらでも聞く。
大阪では珍しかったのに。
うちの連中も、「田舎の犬」になって、元気で長生きしてほしいな。




そんな楽しい川遊びだったが、最後にやらかしたのは、私であった。

日射しが強かったので、車を草むらに乗り入れて停めたのだが、その時にちょっと気になる感触はあった。

やはりというか、帰り、出ようとしたらスタックした。
あれこれ試したが出られず、結局、グーパパと、近くでピクニックしていた男の人2人が後ろを押してくれて脱出できた。

そう、半年前まで私の手足だった、オンボローバーのつもりでルートを選んでしまったのだ。
あいつなら、当たり前に出られた茂みだったのに。


助けて下さったグーパパはじめ皆さんに対する感謝の気持ちと、もうこの世にないかつての愛車への懐かしさとで胸がいっぱいになって、そそくさと河原を後にしたのであった。
空回りしたキャラバンの焦げ臭い匂いを嗅ぎながら。

         終ワリ良ケレバ・・・

良くなかったんだよ、ホープ。


注:
かわらっこ”という、四万十のカヌーとキャンプの里からタイトルをもらいました。