10/19/2008

POP STAR

去る9月23日、大学時代からの悪友に誘ってもらって、
シンディ・ローパーのライブに行った。




出不精の私は、ライブはもちろん、映画館すらほとんど行かない。誘ってもらえばホイホイ行くが、わざわざ自分から行くほどのエネルギーがないのだ。


当然、海外旅行も一度しか行ったことがない。

その一度も、大学5回生の秋、休みを見つけては気軽に
海外に行きまくる同級生達を見ながら、
 「ああ、このまま働き始めて、一度も外国の土を
  踏むことなく一生を終えるんやろうなあ、私」
とつぶやいたのを耳にしたその悪友が、
 「よっしゃ、私が連れて行ったろうやないの!」
と言ってくれたお陰なのである。




まあそれはさておき、ライブ会場はなんだか愉快だった。


シンディ・ローパーといえば大ベテランのスターだが、大ベテラン過ぎて、ファン層がとても幅広いのだ。

ポップスターのライブとなれば、普通はファンのいでたちも、それなりに統一感があるだろう。そのスターの
スタイルにだいたい合ったものになっている。


それが、会場に行ってみれば、もうてんでんばらばら、好き勝手な格好である。

          まとまりなし。

若き日のシンディを模したと一目で分かるファッションの、ティーンの女の子がいると思えば、チェックの綿シャツに綿パンの、おどおどした若い男性。ポップスというよりパソコンが似合う感じ。

かと思えば、これからハイキングですか?というような変にアウトドアな男性もいる。
かなり年配の女性もいる。会場で見渡せば、薄くなった頭もけっこう見受けられる。
あと、西洋人も多い。

我らも周りから見れば、見るからに「もういいんです、独りでも」というオーラが出まくっている女二人組だったに違いない。




そんなバラバラな客層が災いしてか、オープニングアクトの女の子が一生懸命歌っても、客席はしらーっとしていた。


曲の終わりには一応拍手があるのが、いっそう哀しい。




いよいよシンディが登場、という頃には、ステージ前に警備員が並んだが、深々とシートに腰掛けた観客達の前で、なんとなく場違いであった。



しかし、スターというのは、だからこそスターと呼ばれるのだろう。


還暦も近いはずのシンディがステージに現れるや、瞬く間に観客は総立ちになったのである。

まさに老若男女、シンディもどきも、パソコンおたくも、山男も、おじいもおばあも、負け犬たちも。

そして、1時間半の公演の間、ほぼ全員が立ったまま、全員が若者となって、手を打ち、踊った。



特に、彼女がWhat’s goin’ onを歌った時には、涙が出た。
私がもっとも好きな歌手のひとりであるマーヴィン・ゲイの名曲であるが、そのとき聴いたその曲は、完全に“シンディの”名曲になっていた。

隣にいた悪友は、Time after timeが一番胸に迫ったとつぶやいた。

どちらかというと短いライブではあったが、皆が生き返ったような顔をして会場から出ていたように思う。




さすがに衣装は地味になったが、We are the worldの収録時、クインシー・ジョーンズだったかに
 「アクセサリーの音が入ってしまう」
と注意され、
 「Oh・・・sorry」
と笑顔でじゃらじゃら何重ものネックレスをはずした、キュートなシンディがそのままそこにいた。



いい一日だった。
ありがとよ、悪友。

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お~We are the Worldのレコード、持ってました~♪懐かしいです。
シンディローパーのシャウトが素敵でしたよね。
ハニフラさんの日記読みながら、無性にライブに行きたくなってきました!

匿名 さんのコメント...

前回の記事を読んで、嬉しくなっていたんですよ。
ハニフラさんがお仕事を愛していらっしゃるのはよーく存じているのですが時々心配になったりしていたので、期間限定でゆとり期間を持っていらっしゃることにホッとするやら嬉しいやらと思っていました。
今回の記事もそんな、ちょっとのんびりの時間を覗かせて頂きましたね。

シンディ・ローパー、アクセサリージャラジャラ、頭半分だけショートカットの頃、現役で大好きでした。
その後しばらくご無沙汰していたら、5年前に電機屋さんのTV売り場で流されていたDVDがシンディのライブでした。
すっかり落ち着いた出で立ちながら、変わらぬパワー。いやむしろパワーアップですね。心を打つ歌声に釘付けになり、その場でDVDを購入しました。
元気が欲しい時、心を鎮めたい時、どちらの時にもしっくり来る大大大好きな1枚です。
だからハニフラさんが描写されたライブの様子に「うんうんうん」と頷きながら読みました。
本当に素晴らしいアーティストですよね。私もものすごーくライブに行きたくなりました。

匿名 さんのコメント...

うー、いいなぁ。
ドイツ公演はすっかり逃してしまいましたよぉ。

シンディ・ローパー、いまだにかわいいですよね、私も大好きです。(ああ、80年代ヒットパレード...)
家庭を大事にしているそうですよ、子育てが楽しくて、だんなさんを愛してて、だから彼女のそんな幸せ感がまたパワーとしてライブで発せられたのだと思います。

当時の彼女からは誰が一体想像したでしょう?(笑)

次回は逃さないようにしなきゃ。

ハニフラ さんのコメント...

アクティブなルフュママさんは、いろんなライブに行かれていると、私はよんでおりますが、いかがでしょう?
「行きたいなあ」という気持ちはあるのですが、気持ちだけで終わってしまうのが私の悪い所なんです。人生、もったいないことしてると思います。

We are the world、我が家は・・・LDを持っていたのです^^;
音楽も、映画も、大量にコレクションあるんですが、こんなに早く廃れてしまうとは思いませんでした。

そうそう、25日、ルフュママさんも行かれますよね?
ウンココロ、その時にお持ちしようと思っています!長ーーい間、スミマセン(汗)

ハニフラ さんのコメント...

おおっ、あがさんもシンディをお好きでらっしゃいましたか!
しかも、あの時代に現役でファンでいらしたとは、さすがです。
たぶん、好みがはっきり分かれるアーティストではないかと思うのですが、私も大好きです(ライブに行ってるんだから当たり前か)。

>元気が欲しい時、心を鎮めたい時、どちらの時にもしっくり来る
まさにあがさんの書かれてるとおりです!
色んな曲がある、ということだけでなく、同じ曲でも、聞き手によって、元気が出たり、気持ちが落ち着いたりできる、ってことですよね。
でも、アップテンポな曲の時ですらじ〜んと目頭が熱くなるのは、年のせいでしょうか・・・

そしてあがさん、優しいお言葉をありがとうございます。そんなふうにご心配いただいていたなんて、本当に嬉しく、感激しました。

実は、”田舎引っ越し計画”が進んでおりまして・・・
その準備をするのに、四国へしょっちゅう行かねばならず、とても常勤の状態では不可能だったので、1年半ほどかけて教授に頼み込んで、ようやくこの初夏から非常勤になれたのです。
ぼちぼち、そのこともブログで触れていこうとは思っております^^#

あっ、あがさんがライブに行かれたら、日記を楽しみしていますね!

ハニフラ さんのコメント...

Kyokoさん、惜しい!逃しましたか、ドイツ公演。

80年代ヒットパレード。
必携CDですね、我ら世代にとっては。
TOTOのAfricaとか、BanglesのManic Mondayとか、本当に”誰でも”よく知ってる曲が山盛りあるし、若者にとっては洋楽全盛だった時代。んで、ちょっとマニアなアーティストのファンであることが自慢だったりしませんでした?

最近のシンディのプライベートは全然知りませんでした。
そっかあ、幸せな家庭を築いてるのですね。
家庭が幸せって、大事ですね。もうそれだけで、その人は輝いてますもの。そして、外に向かっても、存分に力を発揮できますもん。

そそ、次回は要チェックですよん♪