10/30/2007

Wellness express 3


ふつう、病気について書くときは、
それに罹るとどんな経過をとるのか初めのうちに説明することが多い。
だが、クモ膜下出血についての話は、もう少し何度かに分けて書くつもりなので、先に経過の話だけすると、
いたずらに怖がらせることになってしまう。



というわけで、まず予防法に
ついての話を。


クモ膜下出血の8割は、脳動脈瘤ー脳の動脈にできた瘤ーの破裂によるものである。
1割5分くらいが、特殊な血管奇形によるもの。
シンプルに、クモ膜下出血の原因=動脈瘤の破裂、と
考えていいだろう。で、

 ほとんどの脳動脈瘤は、MRIで分かる

というのが今回の耳より情報である。



  あのね、耳より情報があってね・・・ ふむふむ



最近のMRIは性能が良くなったので、2mm以上の動脈瘤はたいがい見つけられる。
そして最近は、3mm以下の動脈瘤はMRIで見つかっても治療しないことが多い。
つまり、破裂の危険が高い動脈瘤は、MRIを受けておけば早期発見・治療できるのだ。

ちょっと安心。



じゃあ動脈瘤はなぜできるか?
外傷や感染症でもできるが、多いのは生まれつき、で
ある。と言っても、生まれたときから動脈瘤があるのとは、ちと違う。

脳の血管は三層構造で丈夫に作られている。ホースで
言えば、糸入り耐圧ホースみたいなもんである。
ところが生まれつき、部分的に糸が入ってなくて、耐圧でなくなってるところが、誰にでもある。


それが、ちょうど血管の分岐点や
合流点など、血流が強くぶつかる
ところにあると、何年もの間に、
だんだん膨らんでしまうのだ。

これが動脈瘤。



     餅とパンと希望はふくらむほどよい


だから、若くても動脈瘤はあり得る。
けど、動脈硬化が進んで血管のしなやかさがなくなり、高血圧になってくれば、より膨らみやすくなる。

        ワイもふくらみまっせ
      (苦手な方は拡大なさらぬよう)



MRIは磁石の力で精密な画像を撮るので、ペースメーカーなどが入っていると受けられないが、そうでなければ
被爆の心配もなく、痛くもかゆくもない。
(そのかわり狭くてうるさくて時間がかかる。)

30歳過ぎたら、一度受けてみるのもいいのでは。
家族性の動脈瘤というのがあるから、身内の方に
クモ膜下出血になった人がいるなら、20歳代のうちでもいいかも。

MRIで異常がなければ、だいたいは、クモ膜下出血の心配はしなくていいはずだ。
そうそう、動脈瘤は、破れなければ無症状なので、
頭痛のある・なしは何の目安にもなりませぬ。



で、私は受けたか?

いや、紺屋の白袴といいますか、
まあそんな感じ・・・




おマケの耳より情報:

高い脳ドックなぞ受けなくても、
「最近頭痛も多いし、つーかぶっちゃけMRI希望です」
とかなんとか言って脳神経外科を受診すれば、たぶん撮ってくれますよ。ただし普通は予約制だから、
受診してその日に検査、というのは、無理。

むー、病院経営者の方々に怒られるかしらん。


    あのね、耳より情報が・・・聞いてる?




毎月0のつく日はWellness expressの予定です。
次回もまたクモ膜下出血について。



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